やっぱり俳句甲子園は面白い!
2017年08月21日

やっぱり俳句甲子園は面白い!


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俳句甲子園ポスターから

開成が2連覇

8月19、20日の両日、松山で開かれた20回目の俳句甲子園は、開成高校の2年連続10度目の優勝で幕を閉じました。ネット動画などで一部を久しぶりに観戦しただけですが、面白かったです。

開成高校おめでとうございます。同校の岩田奎選手の作品「旅いつも雲に抜かれて大花野」は最優秀にも選ばれました。ディベートでも大活躍だった彼。表彰式で涙を浮かべている姿がとても爽やかでした。

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「開成は言葉余りて心足らず。幸田は心余りて言葉足らず」。高橋睦郎氏が決勝戦の講評でこういう趣旨の発言をされていました。確かに見ていると開成が何もかも達者すぎて、そのような印象を与えられそうになりましたが、きっとメンバーはあふれんばかりの作品や俳句というものへの思いを舞台の上では極力抑えて冷静に振る舞っていたのでしょうね。表彰式の岩田選手を見て私の印象は一瞬で改められました。

1チーム5人で対戦

さて俳句甲子園は1998年にスタートしました。当時の出場校は愛媛県内9校だけでしたが、今年の参加は全国各地の40校。本当に大きな大会になったなあと率直に思います。

御存知ない方のために簡単に説明しますと、各学校5人のチームが俳句で対戦し、その年のチャンピオンを決めるのが俳句甲子園。5人が作った俳句を一句ずつ披露し、制限時間内で自句自解したり、相手の作品に疑義を呈したり議論をぶつけ合い、審査員が判定して勝敗を決めます。判定は作品点と鑑賞点(議論の評価)とを合計した点で行います。

記憶がはっきりしませんが観戦したのは10数年ぶり。感じたのは作品の質も議論も本当にレベルが高くなったなあということに尽きます。あんなにも熱く面白く俳句について語り合えるなんて、みんなすごいよ。

俳句甲子園が生まれた背景

さて、俳句甲子園がなぜ生まれたか。私なりに思っていることを書いてみます(浅い知識と見識で語っちゃうので、乱暴なところがあるかと思います。そこは分かって読んでくださいね)。

正岡子規は「このままでは俳句の命は尽きる」との危機感から俳句を再生し芸術性を高めようとしました。子規から100年。俳句の命は尽きるどころか、俳句人口は爆発的に増えました。非常に大雑把な印象で語りますが、高度成長期やカルチャー教室の普及とともに俳句のすそ野は広がり続け、誰もが親しめる趣味としての側面も大きくなっていきました。

けれども俳句の普及は俳句人口の高齢化とセットでした。子規たちは、つまらなくなっていきそうな俳句を何とかしようと若い命を燃やしました。子規が俳句にのめり込み始めたのは学生時代。「俳諧大要」を書いたのは28歳の時です。子規とともに俳句に真剣に向き合っていた人たちも、みんな若かったんです(鳴雪翁などもいましたけど)。だけど100年経ったら、若者には見向きもされないジャンルになってしまった。青春を俳句に懸ける。そんな光景はだんだん見られないようになりました。

100年後の俳句は?

そうした状況に、松山の人たちは危機感を持ったのでしょう。おそらく子規と同じように「このままでは俳句の命が尽きる」ぐらいの気持ちがあったはずです。若い感性や情熱。そうしたものがなければ新しいものが生まれにくくなる。100年後の俳句はどうなるんだ、と。

若者を俳句に振り向かせるにはどうしたらいいのか。最初は出場を呼びかけても門前払いばかりだったそうですが、一度、参加するとその楽しさに主役の高校生はまっていったんですね。俳句甲子園の輪は愛媛以外にも徐々に広がり、俳句をめぐって高校生が涙する光景が毎年見られるようになりました。俳人として活躍する俳句甲子園出身者も出ています。こういう現象が生まれるようになったことだけでも凄いと思いませんか?

俳句甲子園が成長してきた要因はいろいろあるでしょうが、勝敗という価値観を持ち込んだこと、句会を観せるスタイルにアレンジしたことなどが大きかったように思います。若い世代が俳句の魅力に気づくきっかけになっている貴重な存在となっていますよね。

俳句甲子園の歩みについて詳しく知っているわけではありません。ですが、第1回大会の規模からすれば、ここまで育てるのに大変な苦労を伴ったことが容易に想像できます。本当にすごいなあとその熱意に敬意を抱くばかりです。さすが子規が生まれた街の人々!

今年は子規、漱石生誕150年記念大会。そういえば開成の前身は子規が通った共立学校ですね。子規の時代に俳句甲子園があったら、きっと優勝を目指して熱中したことでしょう。漱石や虚子、碧梧桐ら最強メンバーを集めて毎日特訓です。絶対に。賞品もすごく豪華になっているし、目の色を変えてチャレンジするはずです!

ただの子規ファンが俳句のことはよく分かっていないのに語ってしまいました。「17文字だからこそ語ることができる」。審査員の高野ムツオ氏がこういう趣旨のことをおっしゃっていました。

17文字だからこそ語ることができる青春の軌跡はこんな感じです。

歴代最優秀句
http://www.haikukoushien.com/history/history_data.html
第20回大会結果
http://www.haikukoushien.com/list/wp-content/uploads/2017/08/hyoushou.pdf

来年の大会も楽しみですね。ではでは。

俳句甲子園の経緯等はこちらの本に詳しくまとめられています。

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posted by むう at 08:50| Comment(2) | 生誕150年その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
俳句甲子園一日目、ちょっぴり見に行きました!

17音に青春の全てをかけている高校生が、あんなにもたくさん俳句の街に集っているとは、驚きです。
俳句甲子園の歩みを考えてみても、子規さんも、きっと喜んでいることでしょう。

今年の最優秀作品、個人的にはとっても大好きですし、いろんな意味で、若い俳人に刺激を受けた俳句甲子園でした。
来年も楽しみです。

(俳句甲子園について語る場もなく時もなく、、、長文失礼しました)
Posted by きみ at 2017年08月22日 19:47
>きみさん

返信が遅くなりました。いつもありがとうございます。
みんないい句を作っていましたね。
高校生以外のためのまる裏俳句甲子園というのもあります。
http://e-mhm.com/maruura/
Posted by むう at 2017年08月25日 00:28
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