正岡家所蔵の史料を展示!子規記念博物館へ行こう!
2017年06月30日

正岡家所蔵の史料を展示!子規記念博物館へ行こう!

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※子規記念博物館ロビーの子規、漱石、極堂のパネル

今、松山で面白い展覧会が開かれています。正岡子規の孫、正岡明さんが所有する子規や加藤拓川の書簡などが子規記念博物館で展示されています。明さんは、妹律の養子となった忠三郎氏の息子さんです。奈良にお住まいの造園技師で樹木医さん。現在は正岡子規研究所を主宰されているそうです。会期が7月2日までと、あとわずかですが、目を引かれた展示物をいくつか紹介します。

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漱石の絵はがき

漱石がロンドンから明治33年12月26日付で子規に送った絵はがき。ロンドンの街角のイラストの周囲に細かい文字でびっしり書かれています。内容は次のような感じです。

病気の具合はいかが?僕は東京の深川のような田舎に引きこもって勉強しています。本を買いたいんだが、欲しいものはだいたい30~40円もするから手が出せない(子規の月給が40円)。いろいろ詳しく報告したいところだけど、忙しくて時間が惜しい気持ちがして葉書で済ませてしまった。許してくれ。そちらは年の暮れや新年やらで賑やかなことだろう。こちらでは昨日がクリスマス。初めて英国のクリスマスに出くわした。

柊を幸多かれと飾りけり
屠蘇なくて酔はざる春や覚束な

この後、漱石が便りを出したのは翌年4月。今度は長文でした。子規を慰めるばかりではなく「時々は見た事聞いた事を君等に報道する義務がある」と書いています。漱石の日記風の手紙は子規を非常に喜ばせ「ホトトギス」に「倫敦消息」と題して掲載されるようになったたのは有名な話ですね。明治25年に撮影して子規に送った自分のポートレートも展示されていました。かなり薄くなっていましたが、男前です。

妹律のエプロン

こういう愛用品が残っていたのですね。記憶をたどっても家族の遺品はあまり見たことがないような気がします。展示スペースに余裕がなかったためかたたんで展示されていました。お見合い写真もありました。

八重の写真

子規が亡くなった後に撮影された1枚。私は初めて見ました。ガラス戸の桟に子規愛用の蓑が掛けられた子規庵の書斎で蓑傘を持ってぽつんと座っている。誰だが判別できないほど影が濃いのですが、それがまた寂しげな様子を際立てていて、グッときました。

湯築城の絵図

湯築城は現在の道後公園。子規記念博物館も敷地内にあります。中世の守護河野氏の南北朝時代から戦国末期までの居城跡で現在は発掘調査の結果、国史跡となり屋敷跡などが復元整備されています。県の整備方針を巡って史跡指定まではいろいろあったのですが、それはさておき、この絵図。子規の曾祖父常武の遺品らしいです。鎖鎌の使い手だったという人です。この人物ゆかりの品を拝めるとは思いもよらないことでした!

加藤拓川関係

展示のほとんどが拓川関係のものでした。子規の叔父でベルギー公使などを歴任、外交官、衆議院議員、松山市長などを歴任した人です。明治16(1883)年、フランス留学が決まった時に上京をこいねがっていた子規を東京に呼び寄せ、友人陸羯南(のちに日本新聞社で子規を雇用)に託しました。初めての上京が人生でもっとも嬉しい出来事だったという子規にとっては親族の中でも恩人中の恩人といっていい人でしょう。明さんの父忠三郎氏は拓川の三男です。

代議士たるものは

おしゃれな絵はがきがたくさん展示されています。外交官だけに交友関係の広さはさすがだなと感じました。秋山好古の遺言状も。拓川が息子さんたちにあてた遺言には代議士の心構えが書かれていました。ちょっとうろ覚えですが、

代議士は一国の利益を計るべきものであって、一地方の利害は、たとえ自分の選挙区の事であっても顧みるべきものではない

みたいなことが書かれていました。国全体のために働いてこそ代議士。今の政治家にビシッと言ってやってほしいですね。

人を欺き自らを欺きたる一事なし

この書簡の説明プレートによると末尾には次のような遺言がしたためられているそうです

父は無能にして世に益なかりしが、かつて人を欺き自らを欺きたる一事なし 幸いに今日あるは為(よ)って先輩と朋友の同情を得たるがためなり。この一点は父を学ぶべし 且つ父は貧に生まれて貧に終る 死後無一物は汝等のために不自由するべきも勉強さえすれば財産はいかなる馬鹿でも阿房でも出来るものなり 豪も心配せずと正直に勉強すべし

清廉潔白な人柄が伝わってきます。「人を欺き自らを欺きたる一事なし」。私はとてもこんなことは言い残せないです。はい。

この展覧会、「正岡子規・夏目漱石生誕150年記念-至芸の邂逅」というタイトルです。同じ松山市内の萬翠荘(旧松山藩主久松家の別邸、坂の上の雲ミュージアムの近く)も会場で、こちらにいろんな作家さんの絵画などが展示されています。「邂逅」は、こちらの会場を意識したもののようですが、私などは生の史料を見る方に興奮を覚える質でして。先にこちらに寄ってから子規記念博物館に行ったのですが、我ながら別人のようにテンションが上がってしまいました。

最終日の2日は午後1時まで。春にリニューアルされた子規記念博物館の常設展も愚陀仏庵に入ることができるようになっていまして、いろいろ楽しいですよ。時間のある方は足を運んでみてください。

※一月ほど前に「子規の庭」について書きましたが、最近、手入れがなされてキレイにになったそうです。キレイな状態で見たかった。雰囲気がいいのは秋だそうです。行く機会があればまた報告します。


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posted by むう at 18:22| Comment(0) | 生誕150年その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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